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★番外編その2『レコーディング』

淡路島を真下〔真横ぐらいメチャ低空〕に見ながら、神戸空港に帰ってきました。実は、飛行機は大の苦手です。苦手ベストスリーはというと、1.飛行機、2.吐くこと、3.地震、それに続くのが豚肉練り物系食品となります。
倶知安の打上げ大バーベキュー大会の時、タミオ君が言いました。「これからの人生、何でも食べたら元気になるデェ」と、僕の口に鹿の超レアな焼肉や、小鳥?(にわとりのノド肉)などをまるで親鳥が子にエサを与えるように、次から次へと入れてくれるのでありました。まさに“与える男“です。

先日、日本一有名になった倶知安町でのJUNK×3 2006年も無事安全に、そしてメチャすばらしく楽しく終了。全国から参加されたみなさん、スタッフ、出演者、倶知安町のみなさん、そしてヤック、ニイチャン、テッチ、本当におつかれさまでした。ありがとうございました。

さて今回はレコーディングのことについて書いていきます。

SLIDIN'& SLIPPIN' のレコーディングが始まったのは、2006年3月12日。リハーサルはせずに1曲ずつ練習しながら録っていくスタイルをとったのですが、そこはバンハズメンバー、デモテープをよく聴いてくれているので、ごっついスムーズに進んでいきました。
4〜5日でベーシックトラック〔ボーカルやギターソロ・コーラスの入っていないまさに土台〕が録れたので、そのうち時間が余ってくる。ヤックは普段使っていないベースを出してきて「これどうやろか、あれどうやろか」とやってる。実はヤックの持ってるムスタングベースが大好きでその弟分的なミュージックマスターベースというのを買ってしまったくらいです。

今回は歌がないので楽だー楽だーと言ってましたが「爆音スライダー」の仮歌は天下一品でした。テッチもドラムセットのあたりで何やらメンテナンスをはじめた。ギターの3人はダビングをどんどんやっていく。「名前のないロックバンド」にはなんと、19本ものアコースティックギターが入っています。あれ、21 本やったかナァ??とにかくいっぱい入っている。
ギターダビングが落ち着いてくると、タミオ君はスタジオの奥に奥田工房なるお店を開店し、ギターの修理をやり始めた。紙ヤスリでギターの表面をみがいている。そらもう立派はリペアーマン?! ニイチャンはダビングが済むと僕のダビングにずっとつきあってくれた。でも何か変やゾーッ!!

ようよう考えると、20年前は僕がディレクターやったワケで「もう1回やる」とか言ってたんです。ところがこれが逆転して「ちょっと走りました。もう一度やりますか。」と的確に教えてくれる。いやいやホンマうれしい瞬間でした。そんなワケで夜中まで働くこともなく何日目かの夜には「ちょっとだけ打上げ」でゴッツイおいしい焼肉を食べに行けるまでになりました。この焼肉屋さんは、エンジニアの川部さんの実家で、僕が大好きなお店です。そしてこの焼肉の夜に小袋事件?がおこります。

肉・ビール・肉・ビールと食べ進むうち、そろそろ内臓系もということで小袋をたのみました。この小袋がまたうまかった。その時タミオ君が一言、「コブクロって年いくつやろ?」僕はすかさず小渕君に電話しました。留守電に用件を入れたら、3分後に「僕は29才ですけど、それがどないかしたんですか?」と折り返しがあり、「実は斯く斯く然然」と話し、大爆笑。
そしてみんながコーラスを録っているスタジオに遊びに来てくれました。コーラス録りの光景があまりにおもしろかったのか、小渕君ずっと笑っていました。その時色んな話をして、昔、ブルーボーイやルーシーをコピーしていたことが判明。「なんやいっしょに何かやりたかったナァ」という話になりアワジでのセッションに発展することになりました。

東京と神戸を行ったり来たりしながら、途中キナコちゃんのライブに出たりアンチノイズのラ・ママのライブに乱入したりして楽しみながら、東京セッションはええ感じに終了。このあと歌の練習を3週間ほどやり、淡路でのレコーディングに備えました。

「うめ丸」は淡路島で何本かの指に入る有名な旅館です。よく、なんで旅館でレコーディングやねんと聞かれます。そやからちょっと説明しときます。ここチキンジョージサザンアワジスタジオはうめ丸の社長藤川さんと神戸のライブハウス チキンジョージ〔今はお休み中〕が、旅館のカラオケルームを大改造して10年程前に作りました。そやから、東京のスタジオのようにゴッツイ機械があるとか、個人ブースが充実しているとかではなく、昔ながらの原始的レコーディングしか出来ないスタジオではあります。

そやけどここにはマジックがあるねん。今までに何枚もの名盤がこのスタジオから生まれています。僕はコグクロの「ANSWER」というアルバムのRecで初めてお世話になったのですが、東京にもLAにもNYにも負けへんスライドギターの音が録れびっくりしたものです。その後、キナコちゃんのアルバムを2枚作りましたので、もう今はすみずみまで理解できてるつもりなので、ここほどやりやすい場所はないと思っています。

4月16日からアワジセッションは始まりました。最初の2日はボーカル録り〔昔は吹き込みといった〕本格的ボーカルはメチャ久しぶりなのできんちょうするかと思いきや、我がレコード会社ニュートラックスの大瀧社長の名ディレクションにより、すんなり録れていく。1日2曲ペースはプロ並みや〔ウソ〕。そんなワケで夜は毎晩リトル宴会とあいなるのでありました。

そして3日目、サヴォイいやブルーストーンカンパニーがやって来てくれました。この日は Hey×2 のリズム録りを完成させようが目標で、ツインドラムスの同録はむつかしいかなと思ってたのですがええ具合に録音は進んでいきました。昔はみんなこないして録ってたんやナァとつくづく R&R の楽しさを実感しました。ガンちゃんが貸してくれたアイスブルーメタリックの66年製ストラトは世界一ええ音で鳴ってくれました。

そして、その夜は鯛料理の宴。タイ料理とちゃうデ。ブルーストーンの4人とは“お楽しみ会“という名の定期食事会をするのですが、この夜は一段と盛り上がりました。そやけど次の日も2曲歌わなあかんのでつらいナァと。あんまり大声でしゃべりまくったらアカンのです。でも気がついたら笑いまくっていました。こうして楽しかった宴も終わり、翌朝オガンちゃん、住友君、泰三君、太郎君、そして鈴木君は帰っていきました。(オガンちゃんのロングヘアーがうしろ髪ひかれてるのを僕は見逃さなかったです)

23日にバンハズメンバーが来るので、それまでに全ての歌を吹き込んどかなあかんもんで、リゾートライフを横目でみつつ、毎日VOCAL録りはつづきました。そして予定よりちょっとだけはやく全曲録れまして、それはそれはおだやかな気持ちになりました。そして、バンハズ到着、細田君も来てくれた。バンハズ滞在に関してうめ社長は、ゴルフ・魚釣り・うず潮観光・イングランドの丘?他考えをめぐらせてくれていたワケなんですが、到着そうそうコーラス録りがはじまりました。これまたええコーラスが録れるんですナァ。あまり飛ばしすぎると、明日もあるのでということで、またしても鯛料理の夕べへと突入。何度食べてもうまい。この日は鯛の刺身を残しての鯛茶づけコンクールが開かれ、うめ社長VS正やん(正木さん。このスタジオのエンジニアであり名PAオペレーター)のお茶がうまいか、だし汁がうまいかの1本勝負とあいなりました。

しかし、僕がぬるいお茶を入れてしまったため、味がいまいちわからず、勝負なし。そんな食事の時もスタジオでもタミオ君はカメラを手ばなさずずっと写真を撮っている。そこで僕はとんでもないお願いをすることに。「ジャケット写真撮ってくれへんか?」2つ返事でOKとなり、アルバム全体の写真をおまかせすることになりました。ここに奥田写真館は誕生しました。〔タミオ君の写真はワッツインの小野瀬さんが撮ってくれました〕コーラス録りの休み時間、テッチを除く3人は“スライドバーと自然”をテーマに海へ山へ撮影に。テッチはというと、コンピュータの前に座り、エンジニアの小西さん(プロトゥールズの魔術師 みんな小西さんを師匠と呼んでいる)。とずっと細かい作業をやってくれている。まさに適材適所、チームワークの良さはピカイチです。

そしてその夜、ジャケットの表の写真を撮ることになり、みんなでアイデアを出しつつ、ちょうど宴会場にあった世界一でっかい大皿の前でとった写真が結果的に表ジャケットに選ばれました。でもホンマは800枚以上の写真があり、ええ写真がいっぱいあったことをここに報告しておきます。そして、東京へ帰る日最終チェックをしながら「ここはこうしよう」「これもやろう」とギリギリまでスタジオワークをやってくれた4人に正直感動しました。ホンマはちょっとは遊びたかったはずやのに。3日間ずっと働いてくれて、ホンマありがとうです。

この日は僕も家にスピーカーの予備を取りに行く用があったので、みんなを新神戸まで送っていったのですが、テッチは車に乗っていない。テッチは淡路に骨をうずめる覚悟(ウソ)で最後までつきあってくれることになったのです。タミオ、ニイチャン、ヤック、細田君を見送り、淡路へトンボ帰り静かな夜が更けていきました。小渕君は外に出したことがないという古いマーティンのギターをわざわざ持ってきてくれました。このギターがまたメチャええ音でCD聴いてもらったらわかると思いますが、鈴のようなキレイな音がしました。アコギの名手はほぼ一発で録音終了。コーラスもすぐ決まり3度目の鯛へ突入。この日もうまいぞ。宝楽焼は鯛料理のIT革命やー!!

次の日、小渕君と三浦さんが帰る直前、新しいコーラスを思いついたので、ちょっとひきとめて歌ってもらうことになりました。「ウーウーウーウーウー」というやつです。これで Hey×2も完成。おひきとめしてすんませんでした。これで、ドラム・ギター・ベース・パーカッション・声が全て入り、(そうそうこのレコードにはキイボードがひとつも入ってないのです)あとは MIXするだけ。小西さんにちょこちょこっと歌のあかんかった所を直してもらい、僕はもう大満足。

しかし、テッチ、川部さん、小西さんはほとんど寝ずの日が続いて悲鳴を上げていました。MIXの作業は朝まで続くことが多く、このころから宴会もなくなり、ゴハン・ MIX・ねる・温泉のくり返しにみんなそろそろつかれてきました。でも最後まで 気をぬかずよくやってくれました。テッチはエンジニアデビューをめざして日夜なんかやってくれました。僕にはできんことをやってくれた。後日テッチ曰く、「ホンマはヘロヘロやった」に改めて感謝です。

そして4月29日みどりの日に、SLIDIN'& SLIPPIN' はマスタリングを残してやっと完成しました. 明けて5月8日マスタリングは横浜のJVCにて行われました。またまたバンハズ全員集合。
ふつうマスタリングは1日ですむのですが、なんとみんなが納得するまでそれから4回もやってやっと完成にごぎつけました。エンジニアの原田さんには何とお礼を言うたらええかわかりません。ホンマみなさん自分のことのようにやってくれました。
このアルバムにたずさわってくださった皆様、本当にありがとうございました。 こんなR&Rしかできませんが、ずぅーっとやっていきますので、末永くよろしくお願いします。

次回はライブの事を書きます。そして業務連絡。我がレコード会社ニュートラックスの先輩バンド。アンチノイズのライブでギターを弾きます。日時は、10月7日 ナンバハッチ、10月 22日 ラ・ママ、久々にギターだけという本来のすがたに戻ります。みなさんぜひ遊びに来て下さい。アンチノイズはええバンドなんで応援よろしくお願いします!!

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